名義貸しで実体のない株式・役員がいる場合の問題点
(1)設立時に名義を貸した株主や役員について
平成2年以前の商法改正以前は、株式会社を設立する際に発起人が最低7名以上必要でした。
7名の発起人確保のために、親戚や友人に名義を貸してもらうケースが多かったのです。中にはそのまま取締役になり、名義変更がされないまま放置されるケースもあります。このような株式を「名義株式」といいます。
事業承継をする際は、名義株式が存在するリスクを解消しておきましょう。
平成2年以前に設立した会社は、この問題についてもチェック項目にいる必要があります。
(2)名義株式がある場合の問題点
名義株式の存在が多くのトラブルを発生させることがあります。
例えば、
・名義を借りた本人・名義を貸した人の双方が、その事実を忘れている
・名義貸し人に相続があると、株式の所有者が分散し株主が誰か分からない
・現経営者の知らない人が株式を所有し、株主の権利を主張してくること
など、権利関係が複雑になり収集がつかなくなります。
中には、会計帳簿閲覧請求権や役員解任請求権(株主が議決権の3%以上を保有)を主張する株主まであらわれます。
さらに、
名義株式を真実の株主に名義の書き換えしたことで贈与と認定され、贈与税が課せられるケースもでてきます。
事業承継をする際には、名義株は現経営者が事前に解決しておきましょう。
この名義株式への対応策ですが、創業者である現経営者が健在にうちに、名義変更または承諾書などに署名押印をもらい、印鑑証明書を取得しておきます。
事業承継の専門家に相談しながら行うことで、解決する可能性が高まります。
上記の対策ですらトラブルが発生する場合もありますし、他の問題も発生する可能性があります。事業承継の専門家に早期に相談しておくことをお勧めします。
行政書士オフィスMIRAIでは事業承継に精通したメンバーが対応いたします。